インストール

M32R用GNUツールのインストール

Linux/M32Rを動かすにはM32R用のGNUツールのクロスツール版をインストールする必要があります。

バイナリパッケージでのインストール

バイナリパッケージは /usr/local/m32r-linux-3.2 で展開されることを想定してビルドされています。 以下のようにしてファイル一式を /usr/local/m32r-linux-3.2 以下に置いてください。

 cd /usr/local
 bzip2 -cd m32r-linux.20040409-3.2.tar.bz2 | tar xf -
 ln -s m32r-linux.20040409-3.2 m32r-linux-3.2
後は /usr/local/m32r-linux-3.2/bin にパスを設定すれば完了です。
 set path=($path /usr/local/m32r-linux-3.2/bin)

ソースパッケージでのインストール

gccとbinutilsのソースコード、及びm32r-linuxのバイナリパッケージを展開します。 バイナリパッケージはターゲットのヘッダファイルとライブラリのために必要です。 (gccのconifigure実行時にインストール先のディレクトリへコピーされます。)

 mkdir build_m32r_linux
 cd build_m32r_linux
 bzip2 -cd ../gcc-3.2_src_20040409.tar.bz2 | tar xf -
 bzip2 -cd ../binutils-2.13_src_20040409.tar.bz2 | tar xf -
 bzip2 -cd ../m32r-linux.20040409-3.2.tar.bz2 | tar xf -

最初にbinutilsをビルドします。 ここではインストール先を /usr/local/m32r-linux-3.2 としています。

 cd binutils
 mkdir build
 cd build
 ../src/configure --target=m32r-linux --prefix=/usr/local/m32r-linux-3.2
 make all
 make install
 cd ../..
次にgccをビルドします。
 cd gcc-3.2
 mkdir build
 cd build
 ../src/configure --target=m32r-linux --prefix=/usr/local/m32r-linux-3.2 \
   --with-headers=../../m32r-linux.20040409-3.2/m32r-linux/include \
   --with-libs=../../m32r-linux.20040409-3.2/m32r-linux/lib \
   --enable-languages=c,c++
 make all
 make install
後はインストール先のbinディレクトリにパスを設定すれば完了です。

Linuxカーネルのインストール

LinuxカーネルをビルドするにはM32R用のGNUツールのクロスツール版をインストールする必要があります。 インストールしていない場合はまずM32R用GNUツールのインストールを行っておいてください。

カーネルのビルドは次の手順で行います。

(1) configファイルをコピー
プラットフォームに対応したconfigファイルをLinuxカーネルソースのルートディレクトリに .config という名前でコピーします。

cp arch/m32r/mappi2/defconfig.mappi2-vdec2 .config
configファイルとプラットフォームの対応は以下の通りです。

ファイル名プラットフォーム
m32700ut/defconfig μT-Engine
mappi2/defconfig.mappi2-vdec2 Mappi-Ⅱ(M3A-ZA36)

(2) make xconfig を実行
make xconfig を実施し、configファイルからMakefileを作成します。

make ARCH=m32r xconfig                             # 2.4 kernel
make ARCH=m32r CROSS_COMPILE=m32r-linux- xconfig   # 2.6 kernel
必要に応じてconfigの設定を変更した後、「Save and Exit」を選択して終了してください。

(3) make を実行
あとはmakeを実行するだけでカーネルがビルドされます。

make ARCH=m32r                                     # 2.4 kernel
make ARCH=m32r CROSS_COMPILE=m32r-linux-           # 2.6 kernel

ユーザーランドのインストール

ユーザーランドのファイルはターゲットからNFSを使ってホストにアクセス出来るようにするため ホスト上の適当なディレクトリに展開しておく必要があります。 以下の作業はファイルのオーナーとパーミッションを保つため、スーパーユーザーで実行して下さい。
 su
 mkdir /export
 cd /export
 bzip2 -cd ~/rootfs2.4_small_20040205.tar.bz2 | tar xf -
展開したユーザーランドにはターゲットのhostsファイルが含まれています。 ここに書かれているターゲット及びホストのIPアドレスを自分の環境に合わせて修正します。 nfsserverのエントリのIPアドレスをホストのIPアドレスに、 mappi001のIPアドレスをホストのIPアドレスに変更してください。
 cd rootfs2.4_small/etc/
 vi hosts
ホストの側のhostsファイルにもターゲットのエントリを追加します。
 vi /etc/hosts
展開したユーザーランドをターゲットからアクセス出来るようにホストの /etc/exports へ以下の行を追加します。
 /export *(rw,no_root_squash)
/etc/exports を修正したらNFSを再起動します。
 /etc/init.d/nfs restart
これでユーザーランドを使うための設定は完了です。

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Last modified: 2005/02/03 webmaster@linux-m32r.org